パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち 各界から絶賛の嵐!

INTRODUCTION

世界最古にして最高峰のバレエ団、パリ・オペラ座 356年の夢と伝統はどうやって守られてきたのか?

指導者たちがトップダンサーへと引き継ぐ豊かなインスピレーションと秘めたる想いが今、明かされる!

フランス国王ルイ14世によって創設された由緒正しきバレエ団、パリ・オペラ座。356年という途方もない年月にわたって、世界中から愛され続けているバレエの殿堂だ。2009年、ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマン監督が、『パリ・オペラ座のすべて』でその舞台裏に踏みこみ、日本でも大きな話題を呼んだ。
『バレエに生きる ~パリ・オペラ座のふたり~』(11)、『至高のエトワール ~パリ・オペラ座に生きて~』(13)、『ロパートキナ 孤高の白鳥』(14)など、バレエ・ドキュメンタリーに人生を捧げてきたマレーネ・イヨネスコ監督が、自身の集大成として完成させた本作でも、パリ・オペラ座の〈裏側〉と〈素顔〉を追いかける。カメラは、激しい競争を勝ち進んできたバレエ・エリートたちのトップに君臨するエトワールの過酷なまでの練習風景や、ドラマティックなクリエイションのプロセスなどを捉えている。
だが、それだけではない。遂に、神秘のベールに包まれていた“伝統のバトン”が、どうやって渡されてきたのかという、バレエの金字塔の本質に迫るのだ。高度なテクニックを伝授するのはもちろんだが、技術だけでは観衆に夢や幸福までは与えられない。果たして、バトンにこめられたスピリットとは? 伝統を受け継ぎ、次に伝えていく者たちの真実を解き明かす──!

燦然と輝く華麗なるバレエの歴史は、彼らと共に──

“夢を継ぐ者たち”の中心に立つのは、2013年にエトワールを退いたアニエス・ルテステュ。“ニジンスキーの再来”と称えられたルドルフ・ヌレエフから直接指導を受けた最後の世代だ。彼の教えを注目のエトワールのアマンディーヌ・アルビッソンや、ニュージーランド人の父と日本人の母を持つプルミエール・ダンスーズのオニール八菜に託そうとする姿が映し出される。
さらに、主席エトワールとして、パリ・オペラ座を代表する存在となったマチュー・ガニオが出演した、マリインスキー劇場の『ジゼル』の舞台も披露される。今や人気・実力共にトップを誇る彼のダンサーという職業に対する本音も聞くことが出来る。また、コンテンポラリー・ダンスの最先端を走る振付家ウィリアム・フォーサイス、前芸術監督でナタリー・ポートマンの夫のバンジャマン・ミルピエも登場する。そして、自身のドキュメンタリー映画を監督したイヨネスコと特別な信頼関係を結んだ、マリインスキー・バレエのプリンシパル、ウリヤーナ・ロパートキナも特別に出演。現代最高のオデットと称えられるダンサーとして、驚くほどにストイックなリハーサル風景を見せてくれる。
恐れを知らない革新の積み重ねこそが伝統を維持すると教えてくれる、発見と感動のドキュメンタリー!

出演者

マチュー・ガニオ Mathieu Ganio

1984年、フランスのマルセイユ生まれ。美貌、美脚を誇った元パリ・オペラ座エトワールのドミニク・カルフーニと、マルセイユ・バレエで活躍したドゥニ・ガニオというスターダンサーを両親に持つ。マルセイユ・バレエ学校を経て99年にパリ・オペラ座バレエ学校に入学し、2001年にパリ・オペラ座バレエ団に入団。2004年5月、ヌレエフ振付『ドン・キホーテ』主演後、20歳の若さでスジェから飛び級でエトワールに任命される。飛び級でのエトワール任命は、母カルフーニと並ぶ親子二代での快挙であった。2005年にはブノワ賞を受賞。麗しい容姿はそのままに大人の男性の色気も身につけ、現在では主席エトワールとしてパリ・オペラ座バレエ団を代表する存在となった。日本での人気も絶大で、ダンスマガジン誌の人気投票では男性ダンサー部門で1位に選ばれている。主な役柄にヌレエフ振付『白鳥の湖』王子、『ロミオとジュリエット』ロミオ役、『眠れる森の美女』デジレ王子役、ラコット振付『ラ・シルフィード』ジェームズ役、ノイマイヤー振付『椿姫』アルマン役、マクミラン振付『マノン』デ・グリューなどで貴公子役が似合うものの、ウィリアム・フォーサイスやウェイン・マクレガーなどの現代作品も踊りこなしている。

アニエス・ルテステュ Agnès Letestu

1971年生まれ。8歳の時にマーゴ・フォンテーンとルドルフ・ヌレエフの「白鳥の湖」を初めて観た時にバレエダンサーになる決心をした。1987年、16歳でパリ・オペラ座バレエ団に入団。88年にコリフェ、89年にスジェ、93年にプルミエールに昇格。90年ヴァルナ国際コンクールでは金賞を受賞。92年には、ヌレエフの目に留まって『ラ・バヤデール』のガムザッティ役に抜擢される。97年10月の『白鳥の湖』でエトワールとなったのち、20年以上にわたり古典から現代作品までほとんどのレパートリーを踊ってきた。長身でほっそりとした理想的な体型、優雅さ、知性と美貌にゆるぎない技術。文字通りオペラ座のトップエトワールだったが、新しい分野に果敢に挑戦する勇気の持ち主でもあった。
バレリーナとしてのキャリアが終盤に差し掛かった2009年以降、ルテステュは、後輩たちに教えることでバレエへの情熱を燃やし続けた。2013年10月、パリ・オペラ座バレエ団の『椿姫』でマルグリット・ゴーティエ役を踊り、大喝采のうちに有終の美を飾ってオペラ座に別れを告げた(2014年3月のオペラ座日本公演『椿姫』にもマルグリット役で出演)。現在は後進を指導するとともに、現役時代から手掛けてきた舞台衣装デザインの仕事も続けており、オペラ座で上演された『天井桟敷の人々』など多くのバレエ作品の衣装をデザインしている。

ウリヤーナ・ロパートキナ Ulyana  Lopatkina

1973年10月ウクライナのケルチ生まれ。ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーではナタリア・ドゥシンスカヤに師事。在学中にワガノワ国際バレエコンクール優勝。卒業後の91年、マリインスキー・バレエに入団し、95年にプリンシパルに昇格。97年には栄えあるブノワ賞と黄金のマスク賞を受賞。2000年にロシア功労芸術家、2006年にはロシア人民芸術家の称号を得る。ボリショイ劇場、パリ・オペラ座など世界中の一流の劇場にゲスト出演し、第一線で活躍し続ける。2010年にはバンクーバーオリンピックの閉会式で踊った。
『白鳥の湖』のほか、『ラ・バヤデール』、『ライモンダ』、『愛の伝説』など古典的でドラマチックな役どころに秀でており、175cmの長身に長い手足で表現する研ぎ澄まされた見事なライン、そして優れた表現力、ストイックに美を追及する姿勢。ロシアが誇る完全美を体現するバレリーナであり、現代最高のオデットと評され生きる伝説とも呼ばれている。2014年には、マレーネ・イヨネスコ監督のドキュメンタリー映画『ロパートキナ 孤高の白鳥』が製作された。

オニール八菜 Hannah O'Neil

1993年東京でニュージーランド人のラグビー選手の父、日本人の母の間に産まれ、岸辺バレエスタジオでバレエを始める。8歳で父親の故郷ニュージーランドに移り、2008年にオーストラリア・バレエ学校に入学。2009年にローザンヌ国際コンクールに出場して1位に輝き、2010年にはユースアメリカグランプリ(YAGP)のシニア女子部門でも1位となる。2011年オーストラリア・バレエ学校を卒業し、子供時代から憧れていたパリ・オペラ座バレエ団の外部入団試験を受ける。正式入団とはならなかったものの、シーズン契約団員としてオペラ座の舞台に立ち、2013年の外部入団試験で正式なオペラ座の団員となる。2014年にコリフェ、2015年にスジェに昇進。2014年にヴァルナ国際バレエコンクールに出場して銀賞を受賞(金賞は該当なし)。スジェに昇進後、2015年4月に『白鳥の湖』オデット/オディール役で初主演を果たし、またピエール・ラコットに認められて『パキータ』にも主演。2016年にプルミエール・ダンスーズに昇進し、同年5月にはブノワ賞を受賞した。また、同年ニューヨークでのYAGPガラやマリインスキー国際フェスティバルで『ラ・バヤデール』にゲスト出演をするなど国際的な活躍も見せている。同年7月には文化庁長官の表彰を受けた。172cmの長身と華やかな存在感、強靭なテクニックに日本人らしい繊細さを持ち合わせる新世代のバレリーナ。三越伊勢丹グループの2017年企業メッセージ広告に起用されている。

右:バンジャマン・ペッシュ

バンジャマン・ペッシュ Benjamin Pech

1974年、フランス、ベジエール出身。86年にパリ・オペラ座学校に入学し、92年にパリ・オペラ座バレエ団に入団。94年第一回マイヤ・プリセツカヤ国際バレエコンクールでグランプリと第一位を受賞。99年にプルミエに昇進。2005年9月、オペラ座の上海公演でプティ振付『アルルの女』と『ジゼル』の2公演に主演後エトワールに任命された。31歳と遅咲きのエトワールだった。『白鳥の湖』『ジゼル』などで王子や貴公子役、ノイマイヤー振付『椿姫』アルマン役や『アルルの女』のフレデリ役など情熱的な役柄を踊る一方で、マルティネス振付『天井桟敷の人々』のラスネール役、『マノン』のムッシュGM役、『白鳥の湖』のロットバルト役など一癖も二癖もある役を演じる二面性があり、特にローラン・プティの作品には定評があった。2005年より「エトワール・ガラ」のアーティスティック・オーガナイザーを務めて5回の開催を成功に導き人気ガラ公演シリーズに育て上げた。2016年2月、オペラ座を引退したが、引退公演でもジェローム・ベルの『Tombe』という個性的な新作を踊るなど意欲的な挑戦を見せた。引退後はバンジャマン・ミルピエ芸術監督のアシスタントを務めたが、ミルピエ退任に伴い、2016年秋よりローマ歌劇場バレエの副芸術監督に就任した。

中央:ウィリアム・フォーサイス

ウィリアム・フォーサイス William Forsythe

バレエの世界を、ダイナミックな21世紀のアートへの形へと変革させた振付家。1949年ニューヨークに生まれ、ジョフリー・バレエ、シュツットガルト・バレエで踊った。76年にシュツットガルト・バレエの常任振付家となり、同バレエ団の他、様々なカンパニーに作品を振付けた。1984年にフランクフルト・バレエの芸術監督に就任し、20年間ここを拠点としながら世界中で作品を振付けた。『アーティファクト組曲』『インプレッシング・ザ・ツァー』などの代表作はここで生まれた。中でも、87年にヌレエフによって依頼された『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』は、空間を切り裂くようなスリリングなオフバランスの動きで、初演キャストを務めたシルヴィ・ギエムと共にバレエの世界を変えたと言っても過言ではない。2004年にフランクフルト・バレエが解散した後、2005年から2015年まではフォーサイス・カンパニーを率いた。英国ローレンス・オリヴィエ賞を3度、ベッシー賞を2度受賞しており、フランス政府からはレジオン・ドヌール勲章を受章している。ダンス作品のみならず、インスタレーションや映像作品も多く制作しており、MOMA、ヴェネチア・ビエンナーレ、テート・モダンなど名だたる美術館や芸術祭で展示・上演されている。フォーサイスは教育者として教鞭をとり、また講演活動も行っている。2015年より南カリフォルニア大学グロリア・カウフマン・ダンス学部においてダンスの教授に就任している。また、同年パリ・オペラ座バレエ団のアソシエイト振付家に就任してバレエ団のダンサーたちの振付活動の指導を行ったが、2016年のミルピエの退任に伴いフォーサイスも退任した。2017年シーズンからは、ボストン・バレエと5年間のコラボレーション契約を結び、同カンパニーに毎年1作品提供する予定。

誕生から356年、世界最古のバレエ団、パリ・オペラ座が、最高峰に君臨し続ける理由が今、明かされる─!